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2024/12/01

チラシにQRコードを載せる方法 – 効果的な活用のコツ

1. QRコードの基礎知識

QRコードとは、Quick Response Code(クイック・レスポンス・コード)の略で、株式会社デンソーウェーブが開発した2次元バーコードの一種です。縦横に情報を持つ2次元コードで、1次元のバーコードと比べて格段に多くの情報を格納できるのが特徴です。

QRコードは当初、自動車工場における部品管理のために開発されましたが、スマートフォンの普及により、私たちの生活にも身近なものとなりました。今や、チラシポスター名刺などの印刷物にQRコードを載せて、ウェブサイト電子クーポンSNSなどにリンクさせるのは一般的な手法となっています。

QRコードの種類と特徴

QRコードには、いくつかの種類があります。代表的なものは以下の通りです。

  1. モデル1: 最大1,167桁の数字を格納可能
  2. モデル2: モデル1の仕様を拡張し、最大7,089桁の数字を格納可能
  3. マイクロQR: 小さなスペースにも印刷できるよう、モデル2を縮小したバージョン
  4. iQR: 正方形だけでなく、長方形や点字の形状にも対応

これらのQRコードは、誤り訂正機能を持っています。これにより、コードの一部が汚れていたり、破損していたりしても、一定範囲内であれば情報を復元することができます。

QRコードの仕組みと読み取り方法

QRコードは、白と黒のセル(正方形のドット)で構成されています。これらのセルの配置パターンによって情報が表現されます。QRコードの3つの角には、位置検出パターンと呼ばれる大きな正方形があり、これを目印にしてQRコードを認識します。

QRコードを読み取るには、スマートフォンのカメラを使用します。最近のスマートフォンには、QRコードリーダーが標準で搭載されていることが多いです。リーダーアプリを起動し、カメラでQRコードを撮影すると、自動的に情報が読み取られ、リンク先のウェブサイトが表示されたり、電子クーポンが発行されたりします。

2. チラシにQRコードを載せるメリット

チラシは、店舗広告イベント告知など、さまざまな用途に使われる印刷物です。チラシにQRコードを載せることで、以下のようなメリットが得られます。

Webサイトへの誘導による詳細情報の提供

チラシのスペースには限りがあるため、商品やサービスの詳細情報を載せきれないことがあります。QRコードを載せてWebサイトへ誘導することで、動画写真図表など、より詳しい情報を提供できます。また、外国語での情報提供も可能になり、インバウンド対応にも役立ちます。

「QRコードをチラシに載せることで、手軽に情報を発信できる。」

オンラインショップへの送客とコンバージョン率向上

チラシにQRコードを載せてオンラインショップへ誘導することで、チラシを見た人がすぐに商品を購入できるようになります。スマホ決済キャッシュレスに対応していれば、さらに購入のハードルが下がります。結果として、Eコマースのサイトへの流入が増え、コンバージョン率(サイト訪問者のうち購入に至った割合)の向上につながります。

SNSフォロワー獲得や動画視聴への誘導

QRコードを読み取った先をSNSのアカウントページにすることで、チラシからダイレクトにフォロワーを獲得できます。また、YouTubeなどの動画プラットフォームと連携させれば、プロモーション動画の視聴を促せます。ARVRといった最新技術と組み合わせれば、よりインタラクティブな体験を提供することも可能です。

問い合わせハードルの低下による反応率アップ

電話番号やメールアドレスは、手入力が必要なため、問い合わせのハードルが高くなりがちです。QRコードなら、タップクリックだけで問い合わせフォームに飛べるため、手軽に問い合わせができます。結果として、チラシからの反応率(レスポンス率)が向上します。

「QRコードを活用することで、チラシの情報をより深く、より多くの人に伝えられる。」

効果測定の容易さとデータ分析への活用

チラシの効果測定は難しいとされてきました。しかし、QRコードを用いれば、スキャン回数スキャンした人の属性スキャン後のアクションなどがトラッキングできます。これらのデータを分析することで、チラシの配布場所配布時期デザインなどを最適化し、マーケティング施策に役立てることができます。

「QRコードの活用は、チラシの新たな可能性を広げる。」

3. チラシにQRコードを載せる際の注意点

QRコードをチラシに載せる際は、いくつか注意すべき点があります。

QRコードの適切なサイズと解像度

QRコードは、スマートフォンのカメラで読み取れる大きさである必要があります。一般的には、1辺が2cm程度が推奨サイズとされています。小さすぎると読み取りエラーが発生しやすく、大きすぎるとチラシのスペースを圧迫してしまいます。

また、印刷解像度にも気をつけましょう。QRコードのドットがつぶれてしまうと、読み取りに失敗する恐れがあります。300dpi以上の解像度で印刷するのが理想的です。

QRコード周囲の余白確保とデザイン配慮

QRコードの周りには、余白を設けましょう。読み取り時のエラーを防ぐために、セルの大きさの4倍程度のスペースを空けるのが一般的です。また、QRコードに近接してテキスト画像を配置すると、読み取りの妨げになる可能性があります。

デザイン面では、QRコードが目立つよう、配色や配置を工夫しましょう。ただし、あまり装飾を施しすぎると、かえって読み取りにくくなってしまう点には注意が必要です。

色使いとコントラストへの留意

QRコードは、白と黒のコントラストで情報を表現しています。したがって、背景色セルの色は、明暗のはっきりした色を選ぶことが大切です。薄い色中間色は避けましょう。

また、光沢のある素材に印刷すると、反射によってQRコードが読み取りにくくなることがあります。マットな質感の用紙を選ぶのが無難です。

用紙選定(厚さ、質感)の重要性

チラシの用紙は、QRコードの印刷に適したものを選びましょう。薄い紙だと、裏面の印刷が透けて読み取りに影響する可能性があります。90kg以上の厚みがあるコート紙がおすすめです。

また、表面加工にも気をつけましょう。UV加工やPP加工などの光沢加工は、QRコードの読み取りを妨げる恐れがあります。加工なしか、マットPP加工程度にとどめておくのが賢明です。

読み取りテストの必要性

印刷したQRコードは、必ず読み取りテストを行いましょう。スマートフォンのQRコードリーダーで実際に読み取り、リンク先が正しく表示されるか確認します。iPhoneとAndroidの両方でテストするのが理想的です。

読み取りエラーが発生した場合は、印刷設定QRコードのサイズデザインなどを見直してください。再印刷が必要になることもあるでしょう。

商用利用時の登録商標への配慮

**「QRコード」**は、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。チラシに「QRコード」と明記する場合は、商標マーク(®)を付け、商用利用については同社へのライセンス申請が必要です。ただし、「二次元コード」や「2次元バーコード」などの一般名称を使う分には問題ありません。

また、チラシのQRコードに「QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。」という説明文を添えるのも良いでしょう。

4. 効果的なQRコード掲載のポイント

チラシにQRコードを載せる際は、以下のようなポイントに気をつけると、効果的に活用できます。

目立つデザインと配置の工夫

QRコードは、チラシの目立つ位置に配置しましょう。片隅に小さく載せるのでは、存在に気づいてもらえません。キャッチコピー画像と組み合わせるなど、視線誘導の工夫も大切です。

また、QRコードの周りに枠線を付けたり、色を変えたりするのも効果的です。ただし、あまり凝ったデザインにすると、かえって読み取りにくくなるので注意が必要です。

両面印刷時のQRコード記載

両面印刷のチラシでは、表裏両方にQRコードを載せるのがおすすめです。片面だけだと、折りたたみ時に隠れてしまう可能性があります。両面に載せることで、どちらを見てもQRコードにアクセスできます。

ただし、用紙が薄いと、裏写りによってQRコードが読み取りにくくなることがあります。90kg以上の厚手の用紙を使うのが無難です。

アクセス誘導のためのキャッチコピー

QRコードの近くに、読み取りを促すキャッチコピーを添えましょう。単に「QRコードはこちら」では、アクションを起こしてもらえません。

例えば、以下のようなキャッチコピーが考えられます。

  • スマホ読み取ると、お得なクーポンが手に入ります!」
  • 詳しい情報こちらから
  • SNSでお店の最新情報をチェック!」

利用者目線で、読み取りのメリットを明確に伝えるのがポイントです。

読み取り動機向上のための特典付与

QRコードの読み取りを促すために、特典を用意するのも効果的です。例えば、以下のような特典が考えられます。

  • 割引クーポン
  • オリジナルグッズのプレゼント
  • ポイントの付与

ただし、特典に偏重しすぎると、コストがかかりすぎたり、本来の目的が薄れたりする恐れがあります。バランスを考えて設定しましょう。

複数QRコード掲載は避ける

1枚のチラシに、複数のQRコードを載せるのは避けましょう。どれを読み取ればいいのかわかりにくくなります。また、QRコード同士が近すぎると、*読み取り

エラー*が起きやすくなります。

1つのQRコードに、複数のリンク先を設定できるサービスもあります。うまく活用して、シンプルなデザインを心がけましょう。

代替URLの併記

QRコードが読み取れない場合に備えて、URLを直接記載しておくのも大切です。スマートフォンを持っていない人や、QRコードリーダーをインストールしていない人もいます。

また、印刷不良汚れ破損などによって、QRコードが読み取れなくなる可能性もあります。リンク先へのアクセスを確実にするためにも、URLの併記は欠かせません。

ただし、長すぎるURLは避けましょう。短縮URLを活用するなどの工夫が必要です。

5. QRコードの作成方法

QRコードは、専用のツールを使って作成します。ここでは、無料で使えるオンラインツールを3つ紹介しましょう。

QRのススメ

QRのススメは、シンプルで使いやすいQRコード作成サービスです。URLテキスト電話番号など、さまざまな情報をQRコード化できます。

デザインのカスタマイズも可能で、ロゴイラストを挿入することもできます。また、動的QRコードにも対応しており、リンク先を後から変更できます。

CMAN QRコードメーカー

CMAN QRコードメーカーは、株式会社シーマンが提供するQRコード作成ツールです。URLテキスト名刺情報などをQRコード化できます。

エラー訂正レベル容量など、きめ細かな設定が可能です。また、AIを活用したデザインQRコードの作成にも対応しています。

QR Code Monkey

QR Code Monkeyは、海外QRコード作成サービスです。インターフェース英語ですが、直感的に操作できます。

デザインロゴの挿入など、高度なカスタマイズが可能です。また、ベクター形式での書き出しにも対応しており、印刷にも最適です。

これらのツールを活用して、オリジナルのQRコードを作成してみてください。

6. チラシのQRコード活用事例

QRコードをチラシに活用している事例を見てみましょう。

小売店のチラシ事例

大手家電量販店では、チラシにQRコードを載せて、オンラインショップへの誘導を図っています。商品情報価格比較在庫状況などを、QRコード経由で提供しています。

また、アパレルブランドでは、チラシのQRコードからファッションコーディネート提案や、SNSでの情報発信を行っています。

イベント告知チラシ事例

音楽フェススポーツ大会など、イベントの告知チラシでは、QRコードを活用してチケット販売詳細情報の提供を行っています。

参加申込み会場マップタイムスケジュールなど、必要な情報をQRコードでダイレクトに届けることで、集客運営の効率化を図っています。

キャンペーン用チラシ事例

飲食店サービス業では、キャンペーン告知にQRコードを活用しています。期間限定メニュー割引クーポンプレゼント企画などを、QRコードで手軽訴求しています。

また、SNSとの連動企画では、QRコードから特設ページに誘導し、フォローシェアを促すことで、拡散効果を狙っています。

展示会招待状事例

展示会見本市招待状では、QRコードを活用して来場者管理を行っています。QRコード付きの招待状を送付し、当日の受付ではQRコード読み取ることで、スムーズ入場を実現しています。

また、アンケートフォームへのリンクをQRコードで提供し、来場者の声効率的収集しています。

7. QRコードの効果測定方法

QRコードの効果測定には、アクセス解析ツールを活用します。ここでは、代表的なツールの設定方法を紹介しましょう。

Googleアナリティクスの設定方法

Google Analyticsは、Webサイトアクセス解析に広く使われているツールです。QRコードのリンク先URLに、キャンペーンパラメータを付与することで、QRコード経由アクセストラッキングできます。

具体的には、以下のようなパラメータを設定します。

  • utm_source:QRコードの配布媒体(例:utm_source=flyer
  • utm_medium:QRコードの種類(例:utm_medium=qrcode
  • utm_campaign:QRコードのキャンペーン名(例:utm_campaign=summer_sale
  • utm_content:QRコードのバリエーション(例:utm_content=red_flyer
  • utm_term:QRコードのターゲットキーワード(例:utm_term=new_product

これらのパラメータを付与したURLをQRコード化することで、Google Analytics上でQRコード経由アクセス細かく分析できます。

チラシ別QRコードによる効果測定

チラシ種類配布場所配布時期ごとに、異なるQRコードを作成しておくと、より詳細な効果測定が可能です。

例えば、以下のようなQRコードを用意します。

  • A4サイズのチラシ用QRコード
  • B5サイズのチラシ用QRコード
  • 店舗配布用QRコード
  • 街頭配布用QRコード
  • 新聞折込用QRコード

これらのQRコードを集計し、比較することで、どのようなチラシが効果的だったかを知ることができます。

測定データの分析と改善施策立案

QRコードの測定データ分析し、改善施策を立案することが大切です。アクセス数コンバージョン数回遊状況などを可視化し、傾向を読み取りましょう。

例えば、以下のようなことがわかります。

  • どのチラシのQRコードが最もスキャンされたか
  • QRコードからの流入者は、どのページ閲覧しているか
  • QRコードからの流入者のコンバージョン率は、全体平均と比べてどうか

これらの知見をもとに、改善施策を立案します。デザインの変更や、リンク先ページの最適化キャンペーンの見直しなど、さまざまなアプローチが考えられます。

PDCAサイクルを回しながら、継続的改善を図っていくことが肝要です。

まとめ

今回は、チラシQRコードを載せる方法について、ノウハウをまとめました。QRコードは、チラシ効果を高める強力なツールです。Webサイトへの誘導や、オンラインショップでの販売促進SNSでの情報拡散など、さまざまな用途に活用できます。

ただし、QRコード効果的に活用するには、適切なサイズデザイン配置など、細かな注意点があります。読み取りやすさを確保しつつ、チラシ全体とのバランスも考えて、最適な設計を心がけましょう。

また、効果測定も欠かせません。Google Analyticsなどのツールを活用して、データ可視化し、分析することが大切です。PDCAサイクルを回しながら、継続的改善を図ってください。

QRコードは、チラシデジタルつなぐ架け橋です。うまく活用することで、マーケティング可能性が大きく広がるでしょう。ぜひ、本記事を参考に、効果的QRコードの活用方法を探ってみてください。

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